2025年5月の仮想通貨市場振り返りと今後の予測

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目次

2025年5月の仮想通貨市場概況

ポイント

  • ビットコインが米ドル建てで11万ドル(約1,600万円)の史上最高値を更新
  • 米国2州(ニューハンプシャー州・アリゾナ州)が仮想通貨準備金制度を創設
  • イーサリアムは「ペクトラ」アップグレードによる回復の兆し
  • リップル(XRP)はSECとの和解に関する良いニュースで上昇

2025年5月、仮想通貨市場は大きな変動を見せました。年初からDeepSeekの影響で一時下落した市場は回復傾向にありましたが、2月のBybitハッキング事件(約14億ドルの不正流出)や、4月のトランプ大統領による高関税政策の発表など、いくつかの下落要因がありました。

しかし、5月に入ると大きな転機が訪れます。アメリカのニューハンプシャー州とアリゾナ州が相次いで仮想通貨準備金の設立を発表し、これが市場に強い上昇圧力をもたらしました。特にビットコインは5月22日に11万ドル(約1,600万円)という史上最高値を記録しています。

仮想通貨準備金:州政府が公的資金の一部を仮想通貨で保有する制度。ニューハンプシャー州の場合、州の資金の最大5%までをビットコインなどの仮想通貨やETFへ投資できるようになりました。

2025年 ビットコイン価格推移と主要イベント

主要仮想通貨の動向

1. ビットコイン(BTC)

$103,877(約14,96万円)

過去最高値:$110,000(2025年5月22日)

市場順位:1位

ビットコインは5月に入り、大きな転機を迎えました。5月8日にニューハンプシャー州が、米国で初めて州として仮想通貨準備金の創設を公式に制度化。これにより、州の公的資金の最大5%をビットコインなどに投資できるようになりました。

さらに5月22日には、アリゾナ州も同様の準備金制度を設立。これら2つの州の動きは、「仮想通貨を単なる投機対象ではなく、長期的な価値の保存手段として国家・自治体レベルが認識し始めた」ことを示す重要な転換点となりました。

これらの好材料を受け、ビットコインは米ドル建てで11万ドルの最高値を記録。円建てでも1,600万円台に到達し、新たな価格領域に突入しました。

2. イーサリアム(ETH)

約$2,523(363,485円)

過去最高値:約71万円(2021年11月)

市場順位:2位

イーサリアムは5月初旬に市場センチメントが最悪期を迎え、CryptoQuantのデータによれば、5月9日時点でイーサリアムウォレットの半数近く(6,550万アドレス)が含み損の状態に陥りました。

しかし、5月7日に実施された大型アップグレード「ペクトラ」を転機に、状況は好転の兆しを見せています。このアップグレードはステーキング効率やユーザー体験、バリデーター運用、レイヤー2のスケーラビリティを改善するもので、これを契機にイーサリアムは一週間で約50%の価格上昇を記録しました。

ペクトラアップグレードのポイント

  • ステーキング効率の改善
  • ユーザー体験の向上
  • バリデーター運用の改善
  • レイヤー2スケーラビリティの強化

ステーキング:保有する仮想通貨をネットワークの運用に提供し、その対価として報酬を得る仕組み。イーサリアムでは年2.5~4%程度の利回りが期待できます。

また、ブラックロックによるステーキングETF申請など、新たな投資商品の登場も期待されています。ETF(上場投資信託)への資金流入が拡大すれば、イーサリアム価格の一段の上昇も視野に入るでしょう。

3. リップル(XRP)

約$2.14(約308円)

5月の上昇率:約30%

市場順位:トップ10内

リップル(XRP)は5月に入り、約30%の価格上昇を記録しました。この上昇の主な要因は、4年に及ぶSECとの訴訟問題に関する和解が進展したことです。リップルとSECは5月初めに共同動議に合意し、5,000万ドルという比較的低い金額での和解に同意。裁判所にリップルに対する差し止め命令の解除を要請しました。

また、ビットコインの10万ドル突破に牽引される形で、アルトコイン市場全体が上昇トレンドとなったことも、XRPの価格上昇に寄与しました。

SEC(証券取引委員会):米国の証券市場を規制監督する政府機関。リップル社とは「XRPが証券に該当するか」をめぐり長期間の法廷闘争を続けていました。

テクニカル分析では、XRP価格は上昇チャネル内にあり、RSI(相対力指数)は約64で、まだ買われすぎの領域には入っていません。専門家は、XRPが2.70ドルから2.80ドルの圧力範囲を突破できれば、さらに3.00ドルの心理的障壁に挑戦する可能性があると予測しています。

2025年注目のアルトコイン

米大手資産運用会社グレースケール(Grayscale)が2025年3月26日に発表した四半期レポート「Grayscale Research Top 20」によると、以下の仮想通貨が2025年に高い成長ポテンシャルを持つと評価されています。

銘柄名特徴
ビットコイン(BTC)「デジタルゴールド」としての地位を確立。価値保存の手段
イーサリアム(ETH)スマートコントラクト基盤。DeFi、NFT、RWAの基盤
ソラナ(SOL)高速・低手数料のレイヤー1ブロックチェーン
チェーンリンク(LINK)分散型オラクルネットワーク。外部データの連携に強み
スイ(SUI)元MetaのDiem開発チームによるレイヤー1。並列処理で高速
ビットテンサー(TAO)分散型AIネットワーク。AI開発者・提供者向けマーケットプレイス
バーチャルズプロトコル(VIRTUAL)AIエージェント(AIキャラクター)を作成・収益化できるプラットフォーム
ヘリウム(HNT)分散型ワイヤレス通信ネットワーク。IoTデバイス向け

DeFi(分散型金融):仲介者なしで金融サービスを提供するブロックチェーン上のアプリケーション

NFT(非代替性トークン):デジタル資産の所有権を証明する唯一無二のトークン

RWA(実世界資産):不動産や美術品などの実物資産をブロックチェーン上でトークン化したもの

オラクル:ブロックチェーンと外部データを連携させる仕組み

グレースケールのレポートでは特に、リアルワールドアセット(RWA)のトークン化、分散型物理インフラ(DePIN)、知的財産(IP)という三つの分野が注目されています。これらは実用的で投機的ではないブロックチェーン技術の応用として、今後の成長が期待されています。

今後の市場予測と投資ポイント

ビットコインの今後

複数のアナリストによれば、2025年末までのビットコインの価格予想は20万ドル(約2,900万円)程度とする見方が多いです。特に以下の要因がビットコイン価格を押し上げると予想されています:

  • 2024年4月に完了した半減期の影響がさらに市場に反映される
  • 米国を中心とした政府・自治体の仮想通貨への公的投資拡大
  • 機関投資家の参入拡大(特にETF経由での投資増加)
  • インフレヘッジとしての需要増加

半減期:ビットコインの新規発行量が半分になるイベント。約4年ごとに発生し、供給抑制により価格上昇圧力が生まれるとされています。

イーサリアムの見通し

イーサリアムについては、アメリカの資産運用会社VanEckが2030年の価格予測として以下のシナリオを示しています:

  • 基本シナリオ:22,000ドル(約347万円)- 現在価格から約7倍
  • 強気シナリオ:154,000ドル(約2,400万円)- 現在価格から約50倍
  • 弱気シナリオ:360ドル(約56,000円)- 現在価格から約80%下落

この予測は、2030年までにスマートコントラクト市場が5.2兆ドル(約780兆円)規模に成長するというArk Investの予測に基づいています。イーサリアムがこの市場でどの程度のシェアを確保できるかが、将来価格を左右する最大の要因となるでしょう。

 投資における注意点

  • 仮想通貨は価格変動が大きく、投資にはリスクが伴います
  • 投資額は余裕資金の範囲内に抑えましょう
  • 長期的な視点で投資判断を行いましょう
  • 分散投資を心がけ、一つの銘柄に集中投資するのは避けましょう

主要アルトコインのトレンド

2025年後半にかけては、以下のトレンドが注目されています:

  1. AIとブロックチェーンの融合:ビットテンサー(TAO)などAI関連プロジェクトの成長
  2. 分散型物理インフラ(DePIN):ヘリウム(HNT)のようなIoTネットワークプロジェクトの実用化
  3. 実世界資産(RWA)のトークン化:不動産や債券など実物資産のブロックチェーン化
  4. レイヤー2ソリューションの普及:イーサリアムのスケーリング問題解決に向けた動き
  5. 規制環境の整備:各国の規制明確化による市場の成熟

総括:2025年5月の仮想通貨市場

ポイントまとめ

  • ビットコインは記録的な高値(11万ドル / 約1,600万円)を更新
  • 米国2州が仮想通貨準備金を設立し、公的機関の仮想通貨採用が進む
  • イーサリアムは「ペクトラ」アップグレードで回復の兆し
  • リップル(XRP)はSEC和解進展で上昇トレンド
  • AI、DePIN、RWAなど実用的な用途が注目を集める

2025年5月の仮想通貨市場は、一時的な下落要因を乗り越え、新たな成長フェーズに入ったと言えるでしょう。特に注目すべきは、ニューハンプシャー州とアリゾナ州による仮想通貨準備金の設立です。これは単なる投資判断を超えて、仮想通貨が公的な価値保存手段として認められ始めていることを示しています。

市場全体としては、単なる投機的なトークンから、実際に価値を創出するプロジェクトへと投資家の関心がシフトしています。AI関連、DePIN、RWAなどの実用的な分野で革新的なプロジェクトが台頭しており、今後の成長が期待されています。

初心者の方は、まずはビットコインやイーサリアムなど時価総額の大きい安定した銘柄から投資を検討し、徐々に知識を深めながらポートフォリオを拡大していくことをおすすめします。また、常に情報をアップデートし、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。

※本記事は2025年5月31日時点の情報を基に作成しています。

※本記事は投資アドバイスではありません。投資判断は自己責任で行ってください。

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