ちょことあかり先生の学び部屋：経済指標って何？仮想通貨にどう影響するの？

1. 経済指標とは？

経済指標は、国や地域の経済の健康状態を示すデータのことです。たとえば、「みんながどれくらい買い物しているか」とか「会社の景気はどうか」といった情報が数字として発表されます。

これらのデータは、株や為替、そして仮想通貨などの投資市場に大きな影響を与えるため、投資家たちはいつも注目しています。次に、重要な経済指標を1つずつわかりやすく説明します！

2. 主な経済指標と仮想通貨への影響

(1) 雇用統計（NFP：Non-Farm Payrolls）

• 発表日：毎月第1金曜日

• 内容：農業分野以外の雇用者数や失業率などを発表します。

• ポイント：雇用が増えると経済が好調、減ると不調と見られます。

仮想通貨への影響：

雇用が増加すると、経済が好調と判断され、米ドルが強くなることがあります。この場合、仮想通貨の価格が下がる傾向があります。一方、雇用が減少すると、仮想通貨が安全資産として注目され、価格が上がることがあります。

(2) 消費者物価指数（CPI：Consumer Price Index）

• 発表日：毎月中旬

• 内容：インフレ（物価の上昇）を測る指標です。食料品やエネルギー価格を除いたコアCPIにも注目。

仮想通貨への影響：

CPIが高い（インフレが進んでいる）と、中央銀行が利上げをする可能性が高くなります。利上げは仮想通貨市場にはマイナス材料となる場合が多いです。一方、CPIが低下すれば、仮想通貨市場にとって追い風となることがあります。

(3) 生産者物価指数（PPI：Producer Price Index）

• 発表日：CPI発表の翌日に発表されることが多い

• 内容：企業間での取引価格の変化を測ります。CPIの先行指標とも言われます。

仮想通貨への影響：

PPIが上昇すれば、インフレ期待が高まり、中央銀行の利上げ観測が強まることがあります。これが仮想通貨価格に圧力をかける場合があります。

(4) 小売売上高

• 発表日：毎月中旬

• 内容：小売店での売上高を示す指標です。消費者の購買活動をチェックできます。

仮想通貨への影響：

小売売上高が増えると、経済が好調と判断されるため、リスク資産である仮想通貨は売られやすくなります。逆に、売上高が減少すれば仮想通貨に資金が流れることがあります。

(5) ISM製造業景気指数

• 発表日：毎月初旬

• 内容：製造業の景気感を示す指標。50以上で景気拡大、50未満で景気後退を意味します。

仮想通貨への影響：

指数が高いと経済好調と見なされ、仮想通貨市場にはマイナスに働くことがあります。逆に指数が低ければ、仮想通貨が安全資産として注目されます。

(6) ISM非製造業景気指数

• 発表日：ISM製造業指数発表の2営業日後

• 内容：サービス業など非製造業の景気感を示します。

仮想通貨への影響：

製造業景気指数と同じく、指数の結果次第で仮想通貨価格に影響を与えることがあります。

(7) 住宅着工件数

• 発表日：毎月中旬

• 内容：新しく建てられる予定の住宅の件数を測ります。

仮想通貨への影響：

住宅着工件数が増えれば経済が好調とされ、仮想通貨は売られる傾向があります。逆に件数が減少すると、仮想通貨に資金が流れる可能性があります。

(8) 財政収支発表

• 発表日：毎月後半

• 内容：国の財政赤字や黒字を示す指標です。

仮想通貨への影響：

財政赤字が増えると、通貨価値が下がる恐れがあるため、仮想通貨が注目されることがあります。

(9) ミシガン大学消費者信頼感指数

• 発表日：毎月中旬（速報）、月末（確報）

• 内容：消費者の景気に対する信頼感を示します。

仮想通貨への影響：

信頼感が高ければ仮想通貨は売られやすく、低ければ買われる傾向があります。

(10) 週間新規失業保険申請件数

• 発表日：毎週木曜日

• 内容：失業者が新たに失業保険を申請した件数を示します。

仮想通貨への影響：

申請件数が増えれば、経済悪化が懸念され、安全資産として仮想通貨が買われることがあります。申請件数が減少すれば、仮想通貨は売られやすくなります。

3. まとめ

経済指標は、国の経済状態を表す「ヒント」のようなもの。そして仮想通貨市場は、これらの指標に敏感に反応します。

例えば、雇用が増えたり経済が好調であれば、仮想通貨価格は下がる傾向があります。一方、経済が悪化したり、不安が広がると、仮想通貨が注目されやすくなるのです。